人生は様々な困難や壁が立ちはだかります。
誰しも信じられないような出来事に遭遇する可能性があります。
私達は大きな壁にぶつかると、
焦り、落ち込み、混乱し、壁を乗り越える方法を必死になって自分の外側に探し求めます。
誰かに相談したり、本を読んでみたり、セミナーなどに参加してみたり…
それでもなかなか壁を乗り越えるヒントが見つからない、
そんなときは、自分の内側を見つめ直してみてもいいのかもしれません。
なぜなら目の前に現れた壁は、私たちに学び、成長する機会を与えてくれるとともに、自分の「思い込み」を教えてくれます。
この「思い込み」は過去の経験に縛られ、自分の可能性を疑い、先入観によりつくられたものです。
ここで「壁」が教えてくれる「思い込み」について、いくつか例を挙げてみたいと思います。
例えば子どもの不登校が壁として現れたとき。
親は子どもの将来を心配し、なんとか学校へ行ってもらいたい、とあらゆる手段でアプローチします。
そこには
「学校に行かなければ幸せになれない」
という親の思い込みや先入観が隠れていたりします。
でも、それは事実でしょうか。
幸せの感じ方は人それぞれ。
学校に行かなくても幸せを感じて過ごせる道はたくさんあり、学校はその手段の一つにすぎないことに気づきます。
それでは人間関係のトラブルが壁として現れたときはどうでしょう。
この壁は誰かに認められたい、褒められたいという気持ちや、他者との比較からくるものが多いと思います。
そして自分の価値を証明するために、「人より何かができる」自分になろうと必死になります。
そこには
「自分には価値がない」
という、過去の経験に基づいた思い込みが隠れていたりします。
でも本当にそうでしょうか。
人は誰かに価値を認めてもらうために生きているのではなく、自分の幸せや喜びを選び、人生を創りあげていくために生きています。
存在そのものに価値があり、価値を証明するために何かができる必要はないことに気づきます。
最後に新しいことに挑戦する、という壁が現れたときはどうでしょうか。
私達は経験のないことをするとき、無意識に過去の経験を振り返ります。
そして過去の経験に縛られ、不安や恐怖を感じ、新しい一歩を踏み出すことをためらってしまうことがあります。
そこには
「自分には無理、できるはずない」
「失敗してはいけない」
という思い込みが隠れていたりします。
でも本当にできないのでしょうか、
失敗してはいけないのでしょうか。
過去を振り返ると、できなかった自分から、できるようになった自分を見つけることができるはずです。
また、たとえ失敗したとしても、それを「失敗」と捉えるのではなく、学びの機会と捉えることもできます。
新たに学び、スキルを身につけ、時には誰かの力を借りることで、できる可能性があることに気づきます。
私達の前に立ちはだかる「壁」に隠れた「思い込み」は、私達が成長したり、健全な人間関係を築くチャンスの妨げになるだけでなく、
自分自身を受け入れ、豊かな人生を送ることも難しくします。
現れた「壁」をきっかけに自分と向き合い、新たな可能性や視点に気づくことで、この「思い込み」を解き放つことができるのかもしれません。