子どもがいじめを受けていることがわかりました。
どのような状況だったのか子どもに聞いていますが、なかなか話してくれません。
どうにか解決したいと思っていますが、何か良い方法はありますか。
子どもにとって、親にいじめの事実を話すことはとても難しいことです。
ときには、親以外の信頼できる大人に、話を聞いてもらえる環境をつくることも必要です。
子どもがいじめを受けていることがわかったら、親としてはまず状況を知りたいと思いますよね。
どんなことがあったのか
いつからいじめられているのか
誰にいじめられているのか
そして、もし事実だとしたら、いじめとして学校に認定してもらう必要があります。
なぜなら、認定してもらうことで、学校や教育委員会などの関係機関が解決に向けて動いてもらえるとともに、救済措置を受けることができる可能性があるからです。
いじめとして認定してもらうためには、いじめの事実の確認が必要になります。
なにか証拠があればいいのですが、証拠がない場合は関係者からの「聞き取り」がいじめの事実を確認する唯一の手段になります。
ただ、これが簡単ではないんですね…
親は「できるだけ早く解決したい、だからちゃんと話して欲しい!」
と子どもに訴えます。
でも、子どもにとって、親にいじめの事実を話すことはとても難しいことです。
すんなり話してくれることはほとんどありません。
そもそも子どもはなぜ、親にいじめの事実を話さないのでしょうか。
子どもによって理由はさまざまですが、理由として多いのは、
- いじめといえるのか自分でもよくわからない
- いじめられていることが恥ずかしい
- 親に心配をかけたくない
- 話すことでもっといじめがひどくなることが心配
- 話すことで事が大きくなることが心配
などがあげられます。
子どもは苦しい思いをしているにもかかわらず、このような葛藤を抱えているのです。
子どもにアプローチしてもなかなか話してもらえない・・・
そんなときは、思い切って信頼できる第三者にお願いしてみるのもいいと思います。
子どもにとって「親以外に安心して話せる大人」にお願いするのです。
息子は、今後のことや勉強のこと、たわいもない話は普通にできましたが、いじめに関することや友人の話はとても嫌がり、話を進めることができませんでした。
親だからこそ言えないこと、言いたくないことがあるかもしれない
そう考えた私たちは、息子が安心して話せる第三者にお願いして、話を聞いてもらうことにしました。
息子には、なぜ話す必要があるのかを理解してもらい、誰になら話せそうかを聞いてみました。
息子は、「担任の先生にだけなら話す」と。
先生には負担をかけることになりましたが、何度も話を聞いてもらいました。
先生にもすべてを話せたわけではないと思いますが、先生に話せたことで、いじめと認定してもらい、解決に向けて学校も動いてくれました。
そして、単位の認定や出席日数についても救済してもらうことができました。
それだけではありません。
先生に話せたことで、息子は自分を肯定することができました。
先生が「あなたは悪くない、間違っていない」と認めてくれたからです。
第三者に「あなたは悪くない」と認めてもらえたことで、息子も「自分は悪くないんだ」と大きな安心感を得ることができました。
子どもにとって「親以外に話せる大人の存在」はとても大切です。
担任の先生が難しければ、部活の顧問や他の先生でもいいと思います。
学校の先生にこだわる必要もありません。
お稽古事の先生やスクールカウンセラー、塾の先生、親戚のおじさんやおばさん、おじいちゃんやおばあちゃん…など子どもが安心して話せる「信頼できる大人」に繋いであげて協力してもらいましょう。
親以外の信頼できる大人との対話は、安心を得ることはもちろんですが、新しい視点を見つけることができます。
また、自分を認めてもらえることで自信を取り戻し、子ども自身が問題を解決する上で大きな力になります。
そして私たち親にとっても強力なサポーターになります。