自分のクラスの生徒が、いじめにより不登校になってしまったら・・・
おそらく、先生としては「できるだけ早く解決したい」そう思うのではないでしょうか。
先生だけではありません。
親ももちろん、苦しんでいる我が子を前に、早く解決してあげたい、と思いますよね。
いじめは子どもの成長に暗い影を落とす深刻な問題です。
更にその影響で、登校できなくなった場合、解決までの道のりは容易ではありません。
なぜなら、いじめを受けている子どもは、心身に深い傷を負い、混乱している状態にあるからです。
そのため、問題解決に向けたアプローチが難しいことも多いと思います。
息子がいじめを受けて不登校になった当初は、聞き取り調査はもちろん、友人関係について話すことも嫌がりました。
自分が話した後、親や先生の対応により、加害生徒との関係が気まずくなることに強い不安を感じているようでした。
解決に向けた核心部分の話が、なかなかできない状況の中、担任の先生から次のようなお話がありました。
「まず本人の心のケアを優先し、気持ちを尊重して進めましょう」
学校や先生が何かアクションを起こすときには、事前に必ず息子と話し合って進めてもらえました。
どうしたいのか
どうして欲しいのか
どんな方法ならいいのか
どれくらいならできそうか
先生が息子の意向を確認し、対話をすることで、彼自身が問題と向き合い、じっくり考える機会を与えてもらえました。
ただ、初めのうちは気持ちが不安定で、頭の中も整理できていない混乱状態。
先生との面談では、自分の気持ちを伝えることは難しかったかもしれません。
それでも、先生が焦ることはありませんでした。
「次回、会うまで考えてみて」
「今、決めなくてもいいよ」
などと息子のペースを尊重し、安心して話せる環境をつくってもらえたと思っています。
これにより、息子はいつも「安心して話せる」と感じていたようです。
その後も息子の様子を見ながら、
提案してくれたり、
アドバイスをしてくれたり、
背中を押してくれたり。
心の状態にも配慮しつつ、一歩ずつ前進できるようにサポートをしてくれました。
じっくり考え、向き合うことができる環境をつくってもらえたことで、
少しずつ自分の気持ちを表現できるようになっていきました。
そして、時間の経過とともに心が回復し、先生との信頼関係が築かれたことで、先生からの提案やアドバイスを受け入れることができるようになりました。
自分の気持ちを表現できるようになり、
成長している自分に自信が持てるようになったことで、
「教室への復帰」という大きな壁も乗り越えることができたのではないか、と私は感じています。
いじめ問題が解決し、教室に復帰した息子はこう言いました。
「先生が自分の心の回復に合わせてくれて、待ってくれたのがありがたかった」
「先生が担任でよかった」
彼の言葉には、深い感謝と信頼が込められ、先生の存在の大きさを感じさせるものでした。
解決までの道のりは辛く苦しいものでしたが、先生が1つ1つ息子と一緒に考え、息子の心の回復にあわせて対応してくださったことで、自尊心と自信の回復につながり、この困難を乗り越えられたと思います。
いじめ問題は、その状況や子どもの状態もそれぞれ。
一人一人の状況に合わせた対応が必要になります。
また、傷ついた心の回復には時間がかかります。
でも、周りの大人が理解し、安心感を与え、本気で向き合うことで、子どもは少しずつ本来の自分を取り戻し、未来へと進んでいけるのです。
信頼の基盤を築きながら、見守り、助言し、時には背中を押す。
先生の温かなサポートは、息子の心を癒やし、いじめ問題を克服する強さを育んでくれるものでした。