子どもがいじめを受けて不登校になっています。
問題を解決して、以前のように学校に行けるようにしてあげたいと思っていますが、どのようなステップで進めていけばいいのかわかりません。
大切なことは焦らないこと。
回復に合わせたステップが踏めるように、できるだけたくさんの選択肢を用意してあげましょう。
先生や協力してもらえる方々に相談してみるのもおすすめです。
いじめ不登校の問題はとても複雑。
そう簡単に解決するものではありません。
親としては、できるだけ早く解決して元の生活が送れるようにしてあげたい、と思いますが、ここで大切なのは焦らないことです。
焦らず、子どものペースに合わせて、子どもができることを探して進めていけるといいですね。
今日は「子どものペースで進むために…選択肢を用意することの大切さ」についてお伝えします。
いじめ問題の解決に向けたプロセスは、傷ついた子どもにとって、とても負担が大きいものです。
SOSを出すだけでもかなり勇気がいることですが、SOSを出した後も楽になるわけではなく、新たな課題に向き合わなければなりません。
聞き取り調査があったり、出席日数の問題、高校生であれば進級に向けた取り組みの必要があります。
また、転校を検討することがあるかもしれません。
カウンセリングにも苦しさを感じることもあります。
本当にたくさんの課題が一気に降りかかってきます。
心身ともに傷ついている状態の子どもに、どのように問題と向き合ってもらい、日常を取り戻していくのか…
私自身、とても悩みました。
なぜなら、問題を解決するための対応が今の息子を苦しめることになるからです。
息子に過度の負担がかかれば、心の回復が遅れる上に問題解決も難しくなるのでは…と思いました。
どうしたら息子に負担をかけず、問題を解決していけるのかをかなり考えました。
そして、時間はかかるかもしれないけど、できないことを無理にさせるのではなく、できることをやってもらうという対応で進めてみることにしました。
そのために、学校や先生に協力してもらい、できるだけたくさんの選択肢を用意するとともに、安心してもらえるように話し合いをしました。
どのように選択肢を増やし安心してもらったか、いくつか例を挙げてみますね。
例えば、いじめ問題の聞き取りについては、
・聞き取りで話す相手は学校の先生じゃなくてもいい、誰に話してもいい
・話したくないことは話さなくていい
・あなたが嫌なことはしない
このように伝えました。
また、加害生徒との面会については、
・一人一人、個別に会ってもいい
・会いたくない人とは会わなくていい
・必ず会う必要はない
・今じゃなくてもいい
など、できるだけハードルを下げていくつか選択肢を用意しました。
そして、登校については、
「どうしたら登校できそうか」を息子に聞き、時間や場所、登校日数など、可能な限り息子の希望に添う形で登校できるよう、先生と相談しました。
この件については、先生から多くの提案があり、とても助かりました。
通信制高校へ転出については、
転出する時期、転出先、転出後の学習環境、などいくつか選択肢を用意し、そのメリットとデメリットを伝えました。
このように対応したことで、
「それは無理だけど、これならできる」
「今は無理だけど、考えてみる」
など、息子のペースで問題に向き合い、解決に向けて進むことができました。
少しずつ前進していくことで、息子は自信を取り戻し「できること」が増えていったように思います。
そして、もう1つ。
息子が安心して選択し、行動できるように、話し合いのときに必ず伝えていたことがあります。
それは…
何を選んでも、大丈夫だ
いつでも変更できる
ということです。
何かを選ぶとき、不安を感じることもありますよね。
子どもにとっては大きな選択になることもたくさんあります。
そんなとき、どっちを選んでも大丈夫だよ、やってみてダメだったらまた一緒に考えればいいよ、と声をかけてあげることで安心して選択し、行動できると思います。
傷ついた子どもに負担がかかることをさせるのではなく、子どもができることをやってもらえる環境をつくることで、時間はかかっても未来へ向かって進んでいけるのです。