
子どもがいじめを受けて不登校になっています。
問題の解決方法や今後の進路について、いろんなことを考えてしまい、何を選択することが正解なのかわからなくなっています。

子どものピンチは苦しい選択の連続ですよね。
この子にとって何がいいのか…悩みます。
でも、何を選んでも大丈夫です。
選んだことを正解にしていけばいいんです。
いじめや不登校の問題に直面すると、親も子どもも、たくさんの選択に迫られます。
調査をどうするか、学校との関わり方をどうするか、転校するか、教室に戻るか…。
「この選択でよかったのか」
「もっといい方法があったのではないか」
そんなふうに、自問自答を繰り返す日々が続きます。
私自身、そうでした。
今でも、あれで良かったのだろうか…と心のどこかに迷いは残っています。
でも時間の経過とともに、こう思えるようになってきました。
「正解を探すよりも、選んだことを正解にしていけばいいのかもしれない」
今日は、そんな思いに至るまでの私たち家族の体験を2つお伝えします。
【episode1】「徹底調査はしない」という選択
息子がいじめを受け不登校になったとき、親としては、すべてを明らかにしたい気持ちがありました。
誰が何をしたのか、いつごろからいじめを受けていたのか、なぜこんなことになってしまったのか…はっきりさせたい、と強く思いました。
悲しみ、悔しさと怒り、そして息子を守りたい一心で、調査を求めるべきか悩みました。
でも、息子は望みませんでした。
「誰にも話さない」
「聞き取りはしないでほしい」
かなり悩みましたが、当事者である息子の気持ちを尊重し、心の回復を優先することに決めました。
担任の先生とも相談しながら、出欠席の扱いや進級に関わる救済措置を受けることができる最低限の聞き取り調査にとどめました。
この選択は、今でも「これでよかったのだろうか」と思うことがあります。
でも、その後の息子は、少しずつ元気を取り戻していきました。
何度も心が揺れましたが、家族でじっくり考えて選択したこと。
どんなときも、息子が回復することを最優先に考えていこう、それがこの選択を正解にしていく唯一の方法だと考えるようになりました。
その気持ちは今も変わりません。
【episode2】「教室に戻る」という挑戦
その後、進級のタイミングで「教室に戻るか、転校するか」という選択をする時期がやってきました。
教室に戻って大丈夫だろうか…しんどい思いをするんじゃないか
通信制高校に転校して、息子は希望している進路を選択できるのか
何度も話し合いましたし、簡単な決断ではありませんでした。
最終的に、息子は「教室に戻る」と決めました。
結果的に、息子は教室に戻ることができました。
でも、数ヶ月後、フラッシュバックにより、再び不登校に…
「戻らせるべきじゃなかったかも」と自分を責めた日もあります。
けれどある日、息子がこう言ってくれたのです。
「あのとき教室に戻れたことは、自分にとってすごく大きかった。自分でよくやったと思う。あれができたんだから、という支えになっている」
結果ではなく、そこに至った過程や、行動できた自分に自信がもてたからでしょう。
その言葉を聞いて、「あの選択で良かったんだ」と心から思えました。
■どんな選択も、きっと意味のあるものになる
いじめや不登校の対応に、正解なんてありません。
子どもの性格、状況、家庭環境、学校の対応……すべてが違うからです。
でも、どんな選択でも「これでよかった」と思えるようにしていくことはできると思います。
後悔しながらでも、少しずつ「そのときのベストを選んだ」と受け入れていけたなら、その選択はきっと、意味のあるものになっていく…
だから、今悩んでいる方に
「何を選んでも、大丈夫」
「その選択を、これから一緒に正解にしていけばいい」
このように伝えたいのです。
■さいごに
私たちもまだ、道の途中です。
今でも迷いますし、「本当にこれでよかったのかな」と考える日もあります。
でも、息子が少しずつ回復し、自分のペースで歩んでいる姿を見ていると、「きっとこの選択でよかった」と思える瞬間が増えてきました。
「大丈夫」とすぐには思えないかもしれません。
でも、ひとつひとつの選択が、きっと未来につながっています。