子どもがいじめを受け不登校になっています。
「なぜもっと早く話してくれなかったんだろう」
「なぜ気づいてあげられなかったんだろう」
という想いが頭の中をグルグル回って苦しいです。
子どもも親も、それぞれが自分なりに一生懸命考えて生きています。
「今がタイミングだったんだ」「今SOSをだしてくれて良かった」
と前向きに捉え、その勇気を認めてあげるだけで十分です。
子どもがいじめを受けていたと知ったとき、驚きとともに「いつから」「誰から」「何があった」など、さまざまな疑問が頭をよぎります。
そして次に思うことは、
「どうしてもっと早く話してくれなかったのか」
「なぜ気づいてあげられなかったのか」
ということではないでしょうか。
いじめを受けた子どもにとって、SOSを出すことは大人が思っているより、ずっと勇気がいることです。
そして「親に知られたくない」との思いで振る舞っている子どもの様子から、小さなSOSをキャッチして気づいてあげることもまた、とても難しいことです。
これまで話してくれなかった子どもも、気づいてあげられなかった親も悪くありません。
いじめのSOSは、いじめを断ち切るためにとても大切なものです。
被害を受けた子どもが助けを求め、いじめ問題が明るみにでることで解決に向けて動き出すためにも重要なステップとなります。
ただ、子どもにとってはそのステップが高い高い壁なのです。
その理由は
- 親に心配をかけたくない
- 大事になることへの不安
- いじめがひどくなることへの不安
- 友人と気まずくなることへの不安
- 弱さを見せることへの抵抗感
- 自分が悪いのではないか、という思い
- 自分の価値観が他者と違っているのではないか、という思い
- もう少し頑張れるのではないか、という思い
おそらく様々な不安や葛藤に苦しみ、なかなか助けを求めることができずに一人で悩み続けます。
このような状態の子どもが、これだけの不安と葛藤を乗り越え、自分をこれ以上傷つけないためにSOSをだしてきたのです。
「どうしてもっと早く話してくれなかったのか」
「なぜ気づいてあげられなかったのか」
このように考えてしまう気持ちは無理もありませんが、それよりも勇気を振り絞って声をあげた行動を認めてあげるだけでいいんです。
解決に向けて一歩踏み出せた子どもを認め、「ここからは私達が全力で守る」と伝えてあげてください。
私も息子がいじめを受けていたと知ったとき、
「どうして、こんな状態になるまで話してくれなかったんだろう」
「どうしてもっと早く気づいてあげられなかったんだろう」
と悶々としていた時期がありました。
でもこれって、よく考えてみると息子のことも自分のことも責めてしまっていますよね。
なぜこんなことに
どうしてこんなことに
と過去を振り返れば振り返るほど、苦しさは増すばかりで解決には向かわない、そう思った私は、
過去を振り返ってもどうしようもない
過去を振り返って悶々とするより、あれだけの不安と葛藤を乗り越え「もう学校には行かない」と伝えてきてくれた息子の勇気を認め、一緒に解決していこう。
このように気持ちを切り替えました。
いじめの被害を受けて助けを求めてきた子どもは、恐れや不安、葛藤の末に声をあげた勇気ある子です。
「よく言ってくれた」
「あなたは勇気ある子だ」
と認めてあげるだけで十分。
子どものことも、自分のことも責める必要はないのです。