子どもがいじめを受けていることがわかりました。
関係している生徒に聞き取りをして欲しいと思っていますが、学校で調査をすることを嫌がっています。どうしたらいいですか?
緊急度が高い時など状況にもよりますが、できるだけ子どもが嫌がることはやらない、子どもが納得できるように話し合っていくことが大切です。
いじめ問題の対応にはいくつかの「壁」があります。
その1つ。
先生に言わないで欲しい
学校での調査を嫌がります。(ここで言う調査は自分への聞き取り、そして加害生徒への聞き取りのことです)
これは、かなり困りますよね。
事実を確認しないことには、子どもにとってより良い解決に向けた対応が難しくなるからです。
また、「いじめ」として認定してもらうためには調査は必須。
認定してもらうことで、出欠席の扱いなどの救済措置を受けることができます。
でも、子どもにとって学校に知られて調査をされることは、不安と恐怖しかありません。
友達と気まずくなるかも
もっといじめがひどくなったらどうしよう
とにかく誰にも知られたくない
この不安と恐怖を取り除いてあげない限り、調査に納得することはありません。
納得しないまま、親と先生が強行突破して調査をしてしまうと、信頼関係が崩れてしまい今後の対応が難しくなることもあります。
今日は「いじめ問題。子どもが望まないことは原則やらない!」についてお伝えします。
子どもが望んでいること。
それは、
●友人と気まずくならず、いじめもなくなってほしい
●いじめのことは誰にも知られずに解決したい
このようなことを望んでいるのです。
当事者は親や先生ではなく子どもです。
学校に行くのも親ではなく子ども。
子どもの気持ち、意向は問題を解決する上でとても大切です。
お伝えしたいのは、
子どもが嫌がることはやらなくていい
ということではありません。
嫌がるときは無理に進めるのではなく、子どもの気持ちや意向を確認し、納得してもらってから進める方が良い、ということです。
そうすることで子どもは安心し、親や先生を信頼してくれるようになります。
息子も当初は、学校に伝えることや調査をとても嫌がっていました。
この件には触れずに「このまま転校したい」と話していました。
息子にとって何がいいのか悩みましたが、先生方や専門家の方からのアドバイスもあり、
「学校に残るためにできることはやってみよう」
ということになりました。
息子に納得してもらうために時間はかかりましたが、
●なぜ調査が必要なのか
●できるだけ気まずくならないように配慮する
●どうしても言いたくないことは言わなくていい
●何があっても守る
●いじめられたことは恥ずかしいことではない
●あなたは何も悪くない
●転校してもいいけど後で後悔しないようにしよう
このようなことを何度も伝え、調査が必要であることを納得してもらいました。
息子が問題に向き合いはじめてからわかったことですが、息子は転校を望んでいたわけではありませんでした。
「進学することを考えたら、このまま学校に残る方が自分にとっては一番いいと思う。それはわかっている。」
と話していました。
戻れるなら戻りたい
だからこそ気まずくなりたくないし、知られたくないわけです。
この不安を取り除いてあげることができれば、子どもも「解決するためにできることはしたい」と思っています。
いじめ問題の対応は子どもの日常を取り戻すことが目的です。
子どもを置き去りにして対応しないこと
少し遠回りのような気がするかもしれませんが、子どものペースで進める方が問題解決への近道です。